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VillaTokyo

 

月曜日が日曜日の場所で

11-18 November 2011

 


 
小山登美夫ギャラリー

Kishio Suga, Knowledge-Situation, 1970. © Kishio Suga.
Courtesy Tomio Koyama Gallery, Tokyo

小山登美夫ギャラリー

菅 木志雄

1 9 6 8 年より発表をつづける菅木志雄は、「もの派」における重要な作家とし て知られている。60年代後期から70年代初頭に展開された「もの派」は、「具 体」とともに、最も重要な日本の戦後美術におけるムーブメントの一つとされて いる。「もの派」は、素材の質と客体性を前面に押し出すために、工業製品やファ ウンド・マテリアルを用いて、アーティストの手を極力加えずに表現されることから、 アメリカのミニマリズムや、イタリアのアルテ・ポーヴェラと比較される。しかし菅にと って客体性とは、可視領域を超えて存在する。「もの派」の自律性と可能性の具 現化に成功したたった二人の作家のうちの一人として高く評価された菅は、「も の」の並置にまつわる探究を続けている。与えられた空間の中にイベントや状況 をつくりだし、物体という複雑な存在を語ること。菅が充分に理解しているのは、 「もの」という現象学的存在の特異性なのである。新作で菅が試みたのは、 「もの」の多角的内面の客観化だ。『内化』(2007–08)では、二つの切り株の表 面が、白いパテの埋め込まれた傷で覆われている。木目を背景とすることで生ま れた強いコントラストによって、白のパターンは、切り株の内側と外側のはざま に存在する領域の浸透性を裏切ってみせる。2007年に発表された 『複潜集化-0』、『複潜在化-2』といった作品は、幾何学模様が削り取られた合 板である。削ることによって、人工の産物である合板から年輪があらわになって くる。それは、「もの」にそなわる複雑な構造に対するメタファーとして機能するの である。

ネトルトン太郎


菅木志雄: 1944年生まれ、静岡県在住。