English

VillaTokyo

 

月曜日が日曜日の場所で

11-18 November 2011

 


 
ターニャ レイトン

Dan Rees, Cadium Yellow, Medium Hue, Flesh Tint, Dioxazine Purple, Bright Aqua Green, Red Vermillon, Payne’s Grey, Phtalocyanine Green and a Little Bit Of Black, 2010, acrylic on canvas and wall, 140x100, unique.
Courtesy the artisi and Tanya Leighton Gallery, Berlin

ターニャ レイトン

ダン リーズ

「Keep your art soft and sweet. You might have to eat it. (自分のアートをソフトに、甘くしておくこと。食べるはめになるかもしれないから)」。 明るい青色をしたケーキの上に、筆記体の白い文字でそう書かれた2005年 の作品のこの言葉に、ダン・リーズの若々しく精力的な活動を支える精神が要 約されている。粗悪な模写の背後の壁にぶちまけられたダニエル・ビュランの 伝説的なストライプ(『Two Stripey Paintings』2009年)や、2006年のシリーズ 『Black and White Things in Black and White』にて使用されたスライド や16ミリフィルム、白黒ドキュメンタリー写真といったアナログ・メディアなど、彼の 作品はコンセプチュアル・アートに関する引用で満ちているが、その作品を観客 が目にするとき、美術史に関するそうした無数の引用は一掃される。とはいえ、こ うした実践へと駆り立てる欲求の背後には、じつに謙虚な(そして究極的に言え ば、野心的な)道のりがあり、それは若いアーティストが過去から受け継いだ雑然 としたもののなかから自分自身にしかできない何かを見いだすプロセスにほかな らない。この場合の何かとは、つまり、ユーモアがあって少しばかり見当違いで、 ひたむきな何か、だ。 リーズはヴィラ・トーキョーのために、継続中のシリーズ『A Good Idea Is A Good Idea』(2009年~)から新作を発表する。このシリーズは、お気に入りの絵画作品 をビートルズの『ホワイト・アルバム』のジャケットに描くというもの。元々のアルバム・ カヴァーは、英国のポップ・アーティスト、リチャード・ハミルトンのデザインだが、その作 品はポップ・カルチャーのメインストリームへとダイレクトに侵入したミニマリスト作 品と理解しうるもので、その結果、当時のエリート主義、コンセプチュアル・アートやミ ニマル・アートの境界を曖昧にしてみせたのだ。リーズは「転覆」というアイディアを弄 びつつ、レコード・カヴァーを自分の絵を創作するための白いキャンバスとみなし て、ホックニー、ベーコン、マーティンなどのアーティストの絵を、アクリル絵の具と 彼の力量が許す限りにおいて、忠実に模写していく。


ダン・リーズ: 1982年生まれ、ベルリン在住。