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VillaTokyo

 

月曜日が日曜日の場所で

11-18 November 2011

 


 
ラスター

Aneta Grzeszykowska, from Love Book, 2010, collage.
Courtesy Raster, Warsaw

ラスター

アネタ・グシェコフスカ

身体は、素晴らしい素材です。私は身体をフィルムや写真を扱うように一つの メディアとして捉えています。自分の芸術についてはできるだけ簡潔な言葉で考 え、簡潔な意味を与えたいと思っています。ですから、最も身近にある素材とし て、自分の身体を使うのです。言い換えれば、私の作品が「私自身」についての ものが多い理由は、こうした技術上の理由があるというわけです。 肉体には寿命があり、耐久性もあります。例えば私が映像作品のなかでそうした ように、肉体を素材としてあたかも粘土細工のように扱うときは特にそうです。ここ では身体は現実との接点となります。ところがいったんそれが収縮し分解されは じめると、その繋がりは失われてしまうのです。 死は人を惹き付けます。それは魅力的であり、かつ恐ろしいものです。私にとっ て、死は忠実な友であり、作品を含めたあらゆる事象に影響を与えています。私 が興味をひかれるのは、芸術家の死が、生前に成し遂げた仕事の評価を引き上 げることもある、ということです。アーティストがまるで自身の作品のような死を迎え ることがあります。これはなんとも奇妙な苦難ですが、音楽家についていえば、こ れはもはやポップ・カルチャーのクリシェです。エイミー・ワインハウスがいい例です。 奇妙に思われるでしょうが、私はいつも、この先、自分の死後、自分の作品がどう なるんだろうと想いを巡らせています。どんな風に作品の意味が変わっていくの だろうか、と。 現在の社会的状況から見れば、私などはまるで、自分の時間を趣味に捧げてき たような気がしないでもありません。古臭いと思われるかもしれないことは承知し ていますが、私はこれを自分のためにやっています。私が芸術に身を捧げるのは 純粋にエゴイスティックな理由からで、だからこそ作品制作のプロセス自体がとて も大事なのです。


アネタ・グシェコフスカ: 1974年生まれ。現在、ワルシャワを拠点に活動。